こんにちは、マンション管理士・税理士の深谷高史(ふかやたかし)です。
今回のテーマは「消防法って何ですか?」です。
消防法の目的
消防法(1948年制定)の第1条には法律の目的が規定されています。
この法律は、火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、火災又は地震等の災害による被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行い、もつて安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資することを目的とする。
消防法(1948年制定)第1条
つまり、マンション居住者を火事から守って幸せになるっ!という意味ですね~
( ´艸`)省略しすぎ?
消防法とマンションとの関わり
消防法においてマンションは共同住宅と呼ばれ、一定の条件によって消防用設備等の設置が義務付けられています。
消防用設備等の工事・整備・点検を行うには消防設備士の資格が必要です。
マンションの消防用設備等として、例えば消火器、屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、自動火災報知設備、漏電火災警報器、避難はしご等の避難器具、連結送水管…あぁ、書ききれません!(笑)
消防用設備等の種類によって異なりますが、6か月ごとに機器点検、1年ごとに総合点検を行う義務があります。
マンションの場合、3年に1回、消防長または消防署長に報告しなければなりません。
一般的に自主管理の場合、管理組合が消防設備業者(消防設備士の有資格者)に点検を行わせ、消防長等に報告させます。
管理会社へ管理委託している場合は、管理会社が消防設備業者(消防設備士の有資格者)を手配します。
必ずしも管理組合の理事長が消防設備士の資格を保有している必要はないのですが、消防法を学ぶ機会として資格取得するのも一つの選択肢です。
消防法を学ぶ機会
消防法を学ぶ機会として身近なものが3つあると思います。
(1)防火管理講習
(2)消防設備士試験
(3)危険物取扱者試験
(1)もっとも手っ取り早いのは防火管理講習を受けることです。
管理組合の理事長等は有資格者のうちから防火管理者を定め、消防計画を作成させ、避難訓練や消防用設備等の点検整備の業務を行わせなければなりません。
マンションの場合、収容人数50人以上等であれば防火管理者の選任義務があります。
管理組合の理事になったのをきっかけに防火管理講習を受講しに行ったという区分所有者も多いかと思います。
特に受験勉強する必要はなく、1~2日間の講習と効果測定のテストに合格すれば修了証が交付されます。
受講料は9,000円ほどです。
一般財団法人日本防火・防災協会が講習を行っていますので興味のある方はホームページをご覧ください。
(2)消防設備士とは、消防用設備等の工事整備等を行うことができる国家資格です。
一般財団法人 消防試験研究センターという機関が試験を行っています。
次回のブログ「消防設備士資格って何ですか?」で少し詳しくお話しますね。
(3)危険物取扱者はわりと知名度のある資格です。
消防設備士と同じく、一般財団法人 消防試験研究センターが試験を行う国家資格です。
ガソリンスタンドのアルバイトに求められる資格として「危険物取扱者乙種第4類」(通称、危険物乙4)がありますね。
消防法を学ぶことはできますが、ガソリンや重油等の危険物の取扱いに関する範囲から出題されますので一般的なマンションにはあまり関係ないです。
温浴施設のあるリゾートマンションの管理人さんが持っているケースがあります。
まとめ
マンションは消防法により一定の条件によって消防用設備等の設置が義務付けられています。
消防法を学ぶ機会として、防火管理講習、消防設備士試験等があります。
収容人数50人以上等のマンションは防火管理者の選任義務があります。
消防法上の義務を果たしていなければ居住者の生命や財産を害するリスクがあるとともに資産価値も低下します。
ご不明な点ございましたら当事務所へご相談ください。
最近の私事
2021年6月22日(火)、株式会社三洋堂ホールディングスの株主総会へ出席しました。
会場は名古屋市瑞穂区、三洋堂書店新開橋店建物内の大会議室。
コロナ禍のため出席株主数も少なく、手短に閉会しました。
町の書店はネットの書店に無い魅力がありますよね。
自分の住む町から本屋さんが無くならないように、日頃私はネットで注文して三洋堂書店の店頭で受け取っています。
今回のブログの続きは別のテーマ「消防設備士資格って何ですか?」でお話する予定です。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
2021.07.4 記
この記事を書いた人
陽だまりマンション税務事務所/代表・深谷高史(ふかやたかし)
一般社団法人愛知県マンション管理士会 理事
東海税理士会刈谷支部 所属
マンション管理士、税理士、マンション管理組合理事長の3つの顔を持っています。
分譲マンション管理組合の税務申告を得意としています(携帯電話基地局など)。
このサイトでは、マンション管理、税務、FPなどについてできるだけわかりやすくお伝えしています。