こんにちは、マンション管理士・税理士の深谷高史(ふかやたかし)です。
2021年7月、母校の信州大学で講義をさせていただきました。
学生時代は浅間温泉街のアパートに4年間住んでおり、今回も浅間温泉にある旅館にて宿泊しました。
今回の出張の記録とともに、マンション管理と街づくりの共通点についてお話しします。
信州松本の奥座敷 浅間温泉
浅間温泉について詳しい紹介はぜひ下記のホームページをご覧ください。
・浅間温泉観光協会
・浅間温泉旅館協同組合
JR松本駅を下車→松本城→信州大学→浅間温泉へ到着!
緩やかな坂道が続きますのでアルピコ交通(旧・松本電気鉄道)の路線バスが便利です。
1964年までは路面電車(チンチン電車)が走っていたんですよ。
飛鳥時代から1300年湧き続ける温泉であり、江戸時代には松本城のお殿様、明治時代には与謝野晶子や竹久夢二ら多くの文人も入湯したとのこと。旧制松本高校の卒業生である北杜夫先生もお入りになった由緒ある名湯なのであります。殿様からバンカラまで!
北大湯旅館 梅の湯
私は第一号源泉近くのアパートに住んでおりましたが、その建物自体は以前は旅館でした。
隣の「北大湯旅館」で時々アルバイトさせてもらいました。
月極料金3000円くらいで旅館のお風呂に入り放題でした。
諸事情が許せば、今からでも浅間温泉へ引っ越したいです。
浅間温泉に入り、松本市総合体育館で筋トレし、信州大学図書館で仕事するとか最高ですね。
北大湯旅館は今では要介護高齢者向けの入浴施設となっており、宿泊はできないようです。
今回の出張では「梅の湯」に3泊しました。今回で3度目の利用です。
料金も手頃で、客室も浴場も清潔。もちろん源泉掛け流し。
毎度素泊まりで恐縮ですが、気軽に連泊させてもらっています。
食事は街なかで外食しております。
私は4年間、松本の奥座敷浅間温泉街に住んでおりました。当時と比べればずいぶん寂れてしまいました。
老舗「梅の湯」の利用は3回目です。
清潔感があり、お値打ちな料金です。
向かいにある「ウエストンホテル」は廃業しているものの、巨大で壮観です。
私は「北大湯旅館」でアルバイトしてました。 pic.twitter.com/GUbfd5YQl3— 深谷高史(マンション管理士・税理士) (@hidamarimz) July 16, 2021
赤いピアノ まるゐ 信濃屋食堂 さくら食堂
梅の湯近くの「パブレストラン 赤いピアノ」は1976年開業なので今年で45周年。
友人がバイトしていて、私もよく飲んでおりました。
今でもマスターとママが優しく楽しく迎えてくれます。
時々信大の卒業生が来店するのがとても嬉しいそうです。
いつ閉店するか分かりませんのでぜひまた行ってあげてください!
1976年開業のパブレストラン「赤いピアノ」。優しくて愉快なマスターとママが迎えてくれます。
よく通っていた信州大学の卒業生も多いはず。もうお二人ともご高齢だから、超久しぶりに行ってあげて! そのうち無くなっちゃうよ! pic.twitter.com/skCQQh2MNA
— 深谷高史(マンション管理士・税理士) (@hidamarimz) July 16, 2021
赤いピアノ近くの「とうふ料理 まるゐ」は「スナック 緑だよ」になりました。
山賊焼きが名物の「信濃屋食堂」は閉店。
南浅間の「さくら食堂」は今回初めて食事しました。また行きたい!
松本市野球場の近くにある「さくら食堂」(レストランさくら)には初めて行きました。同じゼミの後輩(今は税理士)に教えてもらいました。学生時代に行きたかったなぁ!
接客してくれたアルバイトの学生さんは、私の講義を受講してくれていたそうです。真面目そうな方でした。 pic.twitter.com/U1nU89Vpup
— 深谷高史(マンション管理士・税理士) (@hidamarimz) July 16, 2021
次世代による芽吹きを温泉街に
浅間温泉はかつては100人以上の芸者さんがいて超人気の観光地でした。
しかし私が住んでいた1990年代後半には観光客はすっかり減っており、再び訪れた2018年にはひどく寂れていました。自分が学生時代を過ごした町は荒れてしまい、あまりの落差に私は驚いて泣きました。いくつかの旅館は要介護高齢者向けの入浴施設になっていました。星野リゾートや伊東園ホテルズに買い取られた旅館もあります。
昔のままを望む人にとって変化は悲しいことです。見知らぬ人や会社が自分の町へ入ってくることにも抵抗感があります。自分自身は変わらず若いままであると思っていても年をとります。建物も年をとり、物理的・機能的に劣化します。
町の内部で次の担い手を生み育てていかなければ町の活気も失われますし、町の外部から次の担い手を迎え入れるという方法も選択せざるをえません。地元の若い人、地元以外の若い人、大手のホテルチェーンが温泉街へ来てもらえるような受け入れ態勢を作っていかなければなりません。創業支援、買取りあっせん、町おこしなど様々な施策が考えられるでしょう。
次世代による芽吹きはマンション管理にも必要
多くのマンションは「2つの老い」に直面していると言われています。「建物の老い」と「居住者の老い」の同時進行です。1981年(昭和56年)以降に建築確認され築40年を経た新耐震基準マンションは当然今後増加していきます。区分所有者が高齢者施設へ入所するなどして空きとなった専有部分の住戸は売却か賃貸されなければ管理費や修繕積立金の滞納となりやすく、マンション管理組合の財政的基盤を弱くしてしまいます。大規模修繕はもちろんのこと日常的な管理も適切に行えなくなる(スラム化の)危険性があります。
そういった悪循環に陥らないためにも、住戸に空きが出たら次世代に買ってもらえるようなマンション管理を日頃から行いたいものです。例えば下記のような活動があります。
・管理費と修繕積立金の適正化
・理事会の良好な運営、次の担い手の育成
・大規模修繕の適切な実施
・居住者同士のコミュニティづくり
・防災・防犯活動など
管理費等の値上げは家計への影響もありますが、過度に削減してはいけない生活費です。自分たちの共同住宅が「古くても良いマンション」となるために、「持続可能性」と「全体利益」の観点からマンション管理を行い、次世代が買いたくなるようなマンションとして維持していきましょう。
温泉街もマンションも、次世代に魅力を感じてもらうための取組みが必要です。
浅間温泉にも新しいお店が生まれています
浅間温泉街では老舗の温泉旅館もがんばっていますが、次世代による新しい店舗も生まれていました。
おやきを出してくれるカフェ、ベーカリー、雑貨屋など。
自分が青春時代を過ごした温泉街に、次世代による芽吹きが起きています。
浅間温泉のどん底は過ぎました。これから活気づいていくはずです。
松本にお越しの際には松本城、なわて通りだけでなく、どうぞ奥座敷の浅間温泉まで足をお運びください。お待ちしております!