こんにちは、マンション管理士・税理士の深谷高史(ふかやたかし)です。
2021年7月、信州大学経法学部で講義をした際に、受講学生から質問や感想などをいただきました。
今回のブログでは学生からいただいた質問に答えたいと思います。
在学中に取得しておいたら良い資格は何ですか?
ズバリこの3つ!
(1)日商簿記2級
(2)ファイナンシャルプランニング技能士(FP)2級
(3)宅地建物取引士
理由は
(1)難易度が適度
(2)生涯にわたって役立つ
(3)知名度がある
日商簿記2級の良いところ!
近年は2級の難易度が上がりましたが、人事採用担当者としては3級では物足りないです。
経理職に就きたい学生はもちろんのこと、経理職以外を志望する学生にも取得を勧めます。
損益計算書や貸借対照表といった財務諸表を分析する前提として、日商簿記2級の知識は必要です。
財務諸表が読めると企業内で活躍する機会が与えられやすいです。
税理士、公認会計士、国税専門官などへチャレンジする人にっては入門的な資格であり、次のステップアップへの基礎づくりにもなります。
FP2級の良いところ!
学科試験の科目は6つあります。
(1)ライフプランニングと資金計画
(2)リスク管理
(3)金融資産運用
(4)タックスプランニング
(5)不動産
(6)相続・事業承継
銀行、証券、不動産、保険、コンサル、税理士など…様々な業界への就職の際にアピールできますし、就職後の名刺にも記載できます。
これも3級は簡単すぎるので、2級に合格すると良い評価が得られます。
自分自身の人生設計のためにも、また投資詐欺(またはそれに近いこと)の被害に遭わないためにもオススメです。
宅地建物取引士の良いところ!
不動産業界へ就職を志望する学生だと内定先から在学中の取得が求められることもあります。
多くの国家試験が受験者数を減少させているのに、宅建試験は受験者数を増加させています。
知名度は非常に高く、人気もあります。
ビジネス法務検定とは異なり国家資格である点も評価が高い。
試験の内容はおおむね下記の通りです。
・民法等
・宅建業法
・法令上の制限(行政法規)
・その他関連知識
つまり、民法も行政法も勉強できるのでバランスが良い。
行政書士、司法書士など法律系国家資格への入門的な資格でもあります。
公務員志望の場合、[宅建→行政書士→公務員試験]というステップがオススメ。
超難関でも超簡単でもない
(1)難易度が適度
簿記2級、FP2級、宅建の3つともに標準的な学習時間は200~300時間くらいなので超難関資格ではないです。
かといって100時間で合格できるような簡単な資格でもないです。
努力を資格取得という結果に出しやすく、人事採用担当者から評価されやすいです。
(2)生涯にわたって役立つ
3つの資格を取得する際にはそこそこ深い知識を体系的に学ぶことができるので、仕事をしていく際には基礎力となります。
さらなる難関資格への入門的な資格であり、基本的な知識も試験の勉強法も習得できます。
また仕事だけではなく、プライベートでも役立ちます。
しかし簿記とFPは人生を生きていくのに役立つから義務教育にしようという意見が時々ありますが、簿記嫌いとFP嫌いの人を生むだけなので私は反対です。
むしろ私は言いたい。
「簿記とFPは超役立つから絶対お前ら勉強するなよ!」
(3)知名度がある
マンション管理業務主任者、証券外務員、医薬品登録販売者、ITパスポート、ビジネス法務検定…に比べて知名度も社会的な評価も抜群に高いです。
マンション管理士なんて管理人さんの資格だと誤解されているし、第一種衛生管理者なんて人事や労働安全に詳しくない人からは飲食店の食中毒予防の資格だと誤解されがちですからね。
知名度が高いというのはなにかと便利です。
さいごに
今回は学生から寄せられた質問にお答えしました。
多くの学生が興味のあるテーマだと思いますし、期待に応える内容でお答えを提供しました。
しかし私の考えとしては、興味があれば片っ端から受験するのが良いと思います。もはや「趣味」「スポーツ」の領域ですね。
ある分野の知識を体系的に学ぶことができますし、資格という形に残すこともできます。
難易度・役立ち度・知名度なんて気にせず、お好きにどうぞ(笑)