こんにちは、マンション管理士・税理士の深谷高史(ふかやたかし)です。
9月1日は「防災の日」です。
全4回のブログでマンション管理組合の防火管理業務について説明しております。
前回の「防火管理者の選任」にひきつづき、
今回は「防火管理者の業務」についてお話します。
防火管理者のお仕事は?
防火管理者が行う主な業務は下記の通りです。
(1)消防計画の作成及び届出
(2)消火、通報及び避難の訓練の実施
(3)消防の用に供する設備、消防用水又は消火活動上必要な施設の点検及び整備
(4)火気の使用又は取扱いに関する監督
(5)避難又は防火上必要な構造及び設備の維持管理
(6)収容人員の管理
(7)その他防火管理上必要な業務
防火管理者による消防計画とは?
消防計画の作成・届出は防火管理者の業務のうちの一つです。
消防計画は防火管理の基本方針であり、消防計画の良し悪しが訓練の実施や火災時における適切な消火活動に結び付いています。
そのため消防計画はマンションの実状に合ったものでなければなりません。
実状との相違がある場合は速やかに変更し、所轄消防署に届け出なければなりません。
消防計画作成の例は地方公共団体や消防機関等がホームページにて公開しています。
マンションの場合、名古屋市役所のHPから「消防計画作成例(共同住宅)」をダウンロードすることができます。
消防計画以外には?
消防計画の作成・届出以外にも防火管理者には重要な業務があります。
簡単に説明すると下記の通りとなります。
(1)消火・避難訓練
…消防計画に定めた回数(年1回以上)実施
(2)消防用設備等の点検・整備
…総合点検1年ごと・機器点検6か月ごとに法定点検実施、3年に1回報告
(3)火気の使用・取扱いに関する監督
…寝たばこ禁止、天ぷら油火災の注意換気
(4)避難・防火上の構造の維持管理
…通路への置き配の管理、自転車放置の解消、放火防止対策
なお消防用設備等の点検整備は消防設備士等の資格者が行うため、通常は点検業者へ依頼します。
マンション管理会社へ業務委託している場合は、管理会社が点検業者を手配します。
マンションの場合には防火管理者そのものを外部委託することが消防法施行令により認められています。
区分所有者が居住しない投資用分譲マンションの場合には防火管理者を外部委託することが多いです。
名古屋市の中消防署(伏見ライフプラザ)です。
今日は甲種防火管理者新規講習の2日目です。 pic.twitter.com/GvMB8nVD4Q— 深谷高史(マンション管理士・税理士) (@hidamarimz) August 19, 2021
次回へ続きます
主に今回は「防火管理者の業務」について見てきました。
消防計画の作成・届出をはじめ多岐に渡っていて大変そうですね。
しかし防火管理者はいわばコーディネーターの役割であり、すべてを実際に担うことは求められていません。
管理会社、専門業者、有志の区分所有者から協力してもらいながら進めてまいりましょう。
次回は「防火管理者の成り手不足の解消」についてお話しします。