こんにちは、マンション管理士・税理士の深谷高史(ふかやたかし)です。
9月1日は「防災の日」です。
全4回のブログでマンション管理組合の防火管理業務について説明しています。
第1回目は「防火管理者の選任」、
第2回目は「防火管理者の業務」、
第3回目は「防火管理者の成り手不足の解消」、
についてお話しました。
今回は第4回目の最終回です。
「自衛消防活動と自衛消防訓練」についてお話します。
連結送水管は、設置後10年経過したものについて耐圧試験が必要です。
その後は3年ごとに耐圧試験を実施します。送水口の前は駐車禁止ですよ! pic.twitter.com/P8SAfVz2qs
— 深谷高史(マンション管理士・税理士) (@hidamarimz) September 8, 2021
自衛消防活動
火災発生時、消防隊が到着するまでの初動対応が被害の大小を左右します。
「自分たちのマンションは自分たちで守る」という自主防火管理の基本精神に基づく通報・連絡、初期消火、避難誘導が「自衛消防活動」です。
それぞれ次のように説明できます。
通報・連絡
…【知らせる】119番通報や消防隊へ情報提供する
初期消火
…【消す】消火器などを活用して火を消す
避難誘導
…【逃げる】迅速に身の安全を確保する
応急救護
…【手当する】応急手当、救出・搬送する
自衛消防訓練
上記の自衛消防活動は火災発生時の対応であり、いざという時にスムーズにできるとは限りません。
もしもの時に備えて行う練習が「自衛消防訓練」であり、定期的に実施することが義務付けられています。
自衛消防訓練をしなければ消防計画も消防用設備等もいざという時に活用できません。
消防計画の作成にも消防用設備等の維持管理にも手間やお金がかかっているのですから、年1回は訓練を行いたいものです。
自衛消防活動の4つに対応し、訓練も4つ挙げられます。
通報・連絡訓練
…【知らせる】落ち着いて119番通報する
消火訓練
…【消す】消火器や屋内消火栓などの設置場所と使い方を確認する
避難訓練
…【逃げる】避難経路を確認する
応急救護訓練
…【手当する】AEDの設置場所や使い方、負傷者の搬送方法を確認する
各世帯でも防災対策
近年は自然災害が多発しており、防災意識は高まっています。
管理組合だけでなく各世帯でも防災対策を行いたいですね。
例えばハザードマップ、避難場所と避難ルート、防災グッズの確認など行いましょう。
各世帯で防災対策を行い、マンション内でお互いに協力していくという関係が理想ですね。
(もちろん、マンションの掲示板や玄関にハザードマップ、避難場所と避難ルートを掲示したり、共用部分に倉庫を置いて防災グッズを準備するという管理組合としての取組みも有効です!)
「ここにいるよ〜」
送水口って植栽に埋もれがちですよね。
防火管理者さん、お願いですから日常点検の巡回時に気づいてください! pic.twitter.com/Xr9VPKOO5w— 深谷高史(マンション管理士・税理士) (@hidamarimz) September 11, 2021
さいごに
消防計画の作成はゴールではありません。自衛消防訓練も自衛消防活動もゴールではありません。
計画を立て、訓練を実施し、反省して、今後に活かすという繰り返し(いわゆるPDCA)が大切です。
このサイクルを繰り返すことによって、自分たちのマンションがもっと良好な住環境となり、次の世代が魅力を感じてくれるようになります。
つまりマンションの防災能力は、マンションの住みやすさであり資産価値でもあります。
マンション防災がマンション管理適正評価制度や管理計画認定制度の評価項目でもあるのはこうした理由なのです。
全4回のブログでマンション管理組合の防火管理業務について説明してまいりました。
みなさまのマンションライフのお役に立つことができれば幸いです。