こんにちは、マンション管理士・税理士の深谷高史(ふかやたかし)です。
先日、消防署で上級救命講習を受講しました。
今回のブログでは救命講習の内容やマンションでの事故などについてお話します。
【もくじ】
・講習の内容は?
・受講者はどんな人?
・AED設置のマンションもある
・マンションでの事故とは?
・応急手当WEB講習は便利
・さいごに
講習の内容は?
消防署では、さまざまな講習が行われています。
危険物取扱、防火管理、防災管理、救命…
救命講習はいくつかの種別がありますが、主なものは下記のとおりです。
普通救命講習Ⅰ(約3時間)
主に成人に対する心肺蘇生法(胸骨圧迫と人工呼吸)やAEDの使用方法など普通救命講習Ⅲ(約3時間)
小児・乳幼児・新生児に対する心肺蘇生法(胸骨圧迫と人工呼吸)やAEDの使用法など上級救命講習(約8時間)
成人・小児・乳児などに対する心肺蘇生法、AEDの使用法、外傷の手当、傷病者管理法、搬送法など
普通救命講習のⅠとⅢは、ともに心肺蘇生法(胸骨圧迫と人工呼吸)とAED使用法がほとんどです。
普通救命講習Ⅲは小さなお子さんの救命であるため、誤飲による窒息事故などへの処置も学びます。
小さなお子さんはなんでも口に入れちゃいますからね。
上級救命講習は、心肺蘇生法とAED使用法に加え、止血法・搬送法を学びます。
三角巾を使った直接圧迫止血法、毛布を使った担架の作り方も今回実際にやりましたよ。
普通救命講習のⅠとⅢは約3時間の講習ですが、上級救命講習は約8時間の講習です。
午前9時にスタートして午後5時に終了という長丁場!
ですから成人と幼児の普通救命講習の内容に加えて、止血法・搬送法なども学ぶことができるのです。
ちなみに実技試験、筆記試験もありますので、しっかり取り組んでくださいね!
受講者はどんな人?
普通救命講習Ⅲは幼児に対する救命救急法が内容であるため、幼稚園・保育園・放課後デイサービスの先生やスタッフが受講したりします。
また、託児所付きの講習も開催されていますがママさんに大人気だそうで、受講申込みは開始するとすぐに満席になってしまうとのこと。
お子さんの事故といえば誤飲、溺水、落下などがあります。
そういった事故の危険や対処法は、ママもパパも知っておきたいですね。
普通救命講習Ⅰ、上級救命講習は、実にさまざまな方が参加されます。
職業で言えば、教育関係者、介護施設職員、警備員、一般企業・工場勤務者、宿泊施設、スポーツクラブのインストラクターやスタッフなどです。
今回私が受講した上級救命講習には、高校の教員、少年野球指導者がいらっしゃいました。
お給料が出ているかどうかも気になりますが、会社指示で受講している人も自主的に受講している人もいます。
AED設置のマンションもある
AEDとは、「自動体外式除細動器(Automated external defibrillator)」です。
心臓が突然止まるのは、心臓がプルプルと細かくふるえる「心室細動(しんしつさいどう)」が原因となることが少なくありません。
この場合、AEDによってできるだけ早く心臓に電気ショックを与え、心臓のふるえを取り除くこと(除細動)がとても重要です。
鉄道などの駅、商業施設、学校、オフィスビル、スポーツクラブなど、様々な場所に設置されていますね。
AEDが普及し始めたころは60万円前後と高価なものでしたが、今では30万円前後で買うことができます。
レンタルでしたら月額3千円前後です。
内臓バッテリーや電極パッドの劣化もあり使用期限の管理の手間もありますので、レンタルは便利ですね。
エントランスにAEDを設置しているマンションもあります。
自宅にいるときに心筋梗塞や心不全などで倒れることは多くあります。
119番通報して救急隊が到着するまでに心肺蘇生とAEDによって一次救命処置を行えば、生存率や社会復帰できる可能性も高くなります。
マンション居住者だけでなく周辺の住民の方に使っていただくこともできますので、AEDの設置について理事会で検討してみてはいかがでしょうか?
マンションでの事故とは?
戸建て住宅、マンションともに、入浴時・入浴後の寒暖差などによって血圧が急激に上下し、心筋梗塞や脳梗塞などが引き起こされることがあります。
とくに冬場のヒートショック現象は要注意ですね。
食事中に食べ物をのどに詰まらせてしまう窒息事故は、高齢者や幼児に注意したいところです。
トイレットペーパーの芯を通る大きさくらいの物なら赤ちゃんは飲み込んでしまうそうです。
赤ちゃんの手の届く場所に不用意に物を置かないなどの配慮が必要です。
マンションの2階以上に居室がある場合、バルコニー(ベランダ)からの転落にご注意ください。
エアコンの室外機など踏み台になる物をバルコニーに置くと、その上に子どもが乗って柵の外へ落下する事故が発生します。
最近は機械式駐車場による重大事故も多発しています。
当事務所のブログをぜひ参考にしてください。
ブログ「【速報】機械式駐車設備の指針が一部見直されました」(2021.10.20)
ブログ「機械式駐車設備の管理責任と費用」(2021.10.30)
応急手当WEB講習は便利
普通救命講習は3時間かかりますし、開催日に消防署まで出かける必要もありますし、定員もあります。
最近では、新型コロナウイルス感染症の感染予防のために開催が中止になったり定員が縮小されたりしています。
消防庁の「応急手当WEB講習」はいつでも好きな時間に自由に、インターネットで学習できます。
日程が合わないため講習を受講できない人も、講習の予習・復習をしたい人も、動画と確認テストで手軽に学ぶことができます。
WEB講習の受講者は、その後に2時間の実技救命講習を消防署で受講すれば普通救命講習Ⅰの修了証を受け取ることができます。
マンション内のコミュニティ活動の一環として、チラシや掲示などで応急手当WEB講習を居住者に向けて周知するのはいかがでしょうか?
さいごに
マンションは共同住宅であり、一棟の建物の中に幅広い年齢層の居住者が住んでいます。
高齢者や幼児といった健康リスク・事故リスクの高い年齢層もいますし、大規模災害の時には助け合って生き延びなければなりません。
マンション防災の観点からも、救命講習の受講をおすすめします。
ちなみに、名古屋市・愛知県ともにマンション管理計画認定制度の独自基準はマンション防災に関する内容です!
また、健康寿命を延ばして寝たきりを予防することは多くの方が関心あることだと思います。
ウォーキング、水泳、ラジオ体操といった手軽な生涯スポーツを安全に楽しみながら、末永く健やかに自分のマンションで暮らしたいですね。
最後までお読みいただき、いつもありがとうございます m(__)m
2022.06.02記